富士フイルム・X100Fに乗り換えた理由|SONYから移って鎌倉スナップが変わった話

SONYのカメラを手放して、富士フイルムのX100Fを使い始めてから、写真のある日常がだいぶ変わりました。

数年前はSONYでポートレートを撮っていた私が、なぜ固定レンズのコンパクト機に落ち着いたのか。この記事では、乗り換えの理由を鎌倉を歩きながら撮るスナップの視点でまとめます。

機材選びで迷っている方の判断材料になればうれしいです。

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結論から言うと 乗り換えの理由は「持ち出す回数が増えたから」

X100F
X100F

画質の差より 撮る機会を取った

先に結論をお伝えします。SONYからX100Fに乗り換えた一番の理由は、画質の優劣ではなく、カメラを持って出かける回数が増えると感じたからです。

どれだけ性能の高いカメラも、家に置いたままでは1枚も撮れません。スナップは日常の延長で撮るものなので、気軽に持ち出せるかどうかが写真の質を左右します。私にとってX100Fは、その条件をいちばん満たしてくれる一台でした。

この記事では、次の流れで理由を説明していきます。

  • SONY時代の撮影スタイルと、感じていた小さな違和感
  • X100Fを選んだ4つの決め手
  • 乗り換えて実際に変わったこと
  • 正直に書いておきたいデメリット
  • X100Fが向いている人、向いていない人

SONY時代の撮影スタイルと感じていた小さな違和感

ポートレート中心だった頃の話

数年前までは、SONYのカメラでポートレートを撮っていました。

人を撮るなら、瞳AFの精度やレンズの選択肢が豊富なミラーレスは頼もしい存在です。レンズを使い分けて背景をぼかし、被写体を際立たせる。目的がはっきりした撮影では、今でもSONYの良さを実感します。

*当時はα7シリーズに、純正のGレンズを組み合わせて使っていました。

SONY機の詳しい特徴については、こちらの記事も参考にしてください。

街を歩く日に増えていった荷物

ところが、撮りたいものが人から街へ移るにつれて、荷物の多さが気になり始めました。

ボディにレンズ、予備のレンズ、バッテリー。フルサイズ機を一式持ち歩くと、重さが1kgを超えることも珍しくありません。短い散歩ならまだしも、半日歩く日には確実に負担になります。

鎌倉の坂道と階段で効いてくる重さ

鎌倉は坂や階段の多い街です。海沿いを歩き、切通しを抜け、寺の石段を上る。そんな一日を過ごすと、肩と首にじわじわ疲れがたまります。

疲れると、人は撮る気力から先に落ちていきます。気づけばカメラバッグを開けない日が増えていました。

レンズ選びに時間を使いすぎていた

もうひとつの違和感は、出かける前の迷いです。今日はどのレンズにするか。持っていくか、置いていくか。

街のスナップは一瞬の光や人の動きが相手なので、レンズを替えている間にシャッターチャンスは過ぎてしまいます。選択肢の多さが、いつのまにか足かせになっていました。

X100Fを選んだ4つの決め手

SONYでの違和感を解消してくれる候補として、行き着いたのがX100Fでした。X100Fは2017年に発売された富士フイルムのコンパクトカメラで、APS-Cサイズの2430万画素センサーと、35mm判換算で約35mm相当になる23mm F2のレンズを備えています。

ここからは、私が決め手にした4つの理由を順に説明します。

1、 軽くて小さいから持ち出す回数が増える

まず結論として、X100Fは「持っていこう」と思える重さと大きさです。

理由は、レンズが一体になっているぶん、全体がとても小さくまとまっているからです。

ボディとレンズ込みで約469g

X100Fの重さは、バッテリーとカードを含めて約469gです。フルサイズ機にレンズを付けた状態と比べると、体感は半分以下になります。

首から下げても、肩にかけても、手に持って歩いても苦になりません。カバンの隅に入れておけるので、仕事帰りや買い物のついでにも連れ出せます。

一日歩いても疲れが残りにくい

実際に鎌倉を半日歩いても、撮る気力が切れなくなりました。重さで撮影が止まらないのは、想像以上に大きな違いです。

つまり、軽さは機能というより「撮る回数を増やす仕組み」です。カメラを持ち出す回数が増えれば、それだけ写真の腕も上がっていきます。

2、 35mm相当の単焦点1本に絞れる

次の結論は、画角を1つに決めると撮影がぐっと楽になるということです。

理由は、レンズ選びの迷いがなくなり、見る力に集中できるからです。

画角が決まると迷いが消える

X100Fのレンズは交換できません。最初は不便に感じるかもしれませんが、これが想像以上に効きます。

35mm相当は、人の視野に近いと言われる画角です。広すぎず、狭すぎず、街のスナップで使いやすい範囲に収まります。被写体に寄るか引くかは自分の足で決める。それだけで、構図を考える頭が鍛えられていきます。

F2の明るさと内蔵NDフィルター

F2の明るさがあるので、夕方の路地や薄暗い寺の境内でも手持ちで撮れます。

逆に、晴れた海沿いで絞りを開けたいときは、内蔵のNDフィルターが活躍します。減光フィルターを持ち歩かなくても、F2で背景をぼかした写真を昼間に撮れるのはありがたい仕様です。

レンズ交換式のカメラとレンズの関係を整理したい方は、次の記事もどうぞ。

3、 フィルムシミュレーションで色の雰囲気が決まる

3つ目の結論は、撮って出しの色がそのまま作品になるということです。

理由は、富士フイルムが長年培ってきた色づくりを、カメラの中で選べるからです。

撮って出しで完成する安心感

フィルムシミュレーションは、フィルムの種類を選ぶ感覚で色の傾向を切り替えられる機能です。クラシッククローム、アクロス、ベルビアなど、撮りたい空気に合わせて選べます。

SONY時代の私は、RAWで撮って、帰宅後にパソコンで色を作り込んでいました。その作業が嫌いなわけではありませんが、撮影枚数が増えると負担になります。X100Fなら、撮った時点で雰囲気がほぼ決まります。

アクロスで撮る鎌倉のモノクロ

特に気に入っているのがアクロスです。階調がなめらかで、古い街並みや石畳の質感がやわらかく写ります。

鎌倉の路地や、曇り空の海を撮るとき、モノクロの表現はとてもよく合います。

*特にお気に入りのフィルムシミュレーションはクラシッククローム、ACROS

私のX100Fの使い心地を、より詳しくまとめた記事はこちらです。

4、 光学ファインダーで街と向き合える

最後の結論は、ファインダーをのぞく体験そのものが楽しいということです。

理由は、X100Fが光学ファインダーと電子ファインダーを切り替えられる、ハイブリッド式を採用しているからです。

ハイブリッドビューファインダーの使い心地

光学ファインダーは、ガラス越しに実際の景色を見る方式です。画面の遅れがなく、目の前の光や人の動きをそのまま感じながら構えられます。

電子ファインダーに切り替えれば、露出や色の仕上がりも確認できます。場面に合わせて使い分けられる自由度は、このカメラの大きな魅力です。

枠の外が見えるから決定的瞬間に気づける

光学ファインダーでは、写る範囲の外側も見えます。これが、スナップでは大きな武器になります。

フレームの外から歩いてくる人や、ふいに差し込む光に気づけるので、シャッターのタイミングが取りやすくなります。画面をのぞき込むより、街を見ながら撮っている感覚に近づきます。

乗り換えて実際に変わったこと

写真の雰囲気がやわらかくなった

乗り換えて最初に感じたのは、写真の空気感の変化です。

SONY時代は、被写体をくっきり切り出すような写真が多く、どこか構えた印象でした。X100Fで撮るようになってからは、街の光や色をそのまま受け取るような、肩の力が抜けた写真が増えました。

機材が変わると、撮り方も変わり、写真の雰囲気も変わる。そのことを、身をもって実感しています。

撮影枚数が増え 歩く時間が楽しくなった

次に変わったのは、散歩の楽しさです。

カメラが軽いので、気になる路地があればすぐに入っていけます。立ち止まる回数が増え、一枚ごとに向き合う時間も増えました。結果として、撮影した枚数も、気に入った写真の数も増えています。

現像の手間が減り 発信するまでが早くなった

フィルムシミュレーションのおかげで、撮ってから公開するまでの手間が減りました。

ブログやSNSに載せる写真を、帰宅後すぐに選んで書き出せます。発信までのスピードが上がったことも、続けるうえで大きな助けになっています。

X100Fの正直なデメリット

良いところばかり書くと、判断を誤らせてしまいます。ここでは、使ってみて感じた弱点も正直にお伝えします。

画角が固定で 寄れない場面がある

結論として、レンズ交換ができないのは、人によっては大きな制約です。

遠くの被写体を大きく撮りたいときや、ぐっと広く写したい建物の撮影では、物足りなさを感じます。自分の足で寄る、引くという工夫が必要です。

動きの速い被写体は得意ではない

オートフォーカスの速さや追従性は、最新のミラーレスに比べると見劣りします。

動き回る子どもやスポーツ、飛ぶ鳥のような被写体は、正直に言って苦手です。街のスナップには十分ですが、動体撮影が中心の方には向きません。

バッテリーの持ちは予備があると安心

撮影可能枚数の目安は約390枚です。半日歩いて撮り続けるなら、予備バッテリーを1つ持っておくと安心です。

ポートレートはSONYに軍配が上がる

人物の撮影、特に瞳AFを頼りにした撮影は、SONYの得意分野です。

X100Fでも人は撮れますが、ポートレートを主役にするなら、レンズ交換式のカメラのほうが自由度は高くなります。得意なものが違うと割り切るのがおすすめです。

X100Fが向いている人 向いていない人

ここまでを踏まえて、向き不向きを整理します。

X100Fが向いている人

  • 街歩きやスナップが中心の人
  • カメラを毎日のように持ち出したい人
  • 撮って出しの色づくりを楽しみたい人
  • 一つの画角でじっくり撮るスタイルが好きな人

他の機種を考えたほうがいい人

  • ポートレートや動体撮影が中心の人
  • 望遠から広角まで、1台でこなしたい人
  • 最新のオートフォーカス性能を重視する人

迷っている方は、中古品も含めて価格を確認してみると、判断しやすくなります。

まとめ、カメラは「持ち出せること」が最大の性能

SONYからX100Fに乗り換えた理由を、改めて整理します。

  • 軽くて小さく、持ち出す回数が増えた
  • 35mm相当の単焦点1本で、迷いがなくなった
  • フィルムシミュレーションで、撮って出しの色が決まる
  • 光学ファインダーで、街と向き合って撮れる

結論として、私にとってのX100Fは、撮影の回数と楽しさを増やしてくれた一台でした。性能の数字では測れない価値が、スナップにはあります。

これから鎌倉の街と、X100Fで撮った写真を少しずつ紹介していきます。気になった方は、ぜひ他の記事ものぞいてみてください。